恋の神様はどこにいる?

でもここに来て時間がわかってしまうと、都合のいいお腹は「ぐうぅ~」と音を鳴らし始めて。呆れ顔の志貴に「食いしん坊だな」と笑われる始末。

「一緒に食うか?」

「何を?」

「弁当に決まってんだろ」

「あ。う、うん」

まさか志貴と一緒に食べられると思ってなかったから、ふたりの時間が持てることに嬉しさが込み上げる。

志貴とはもう何度か食事をしているけれど、今までひとりで食事をしていたからか一緒に食べることが癖になってしまったみたい。

志貴に連れられてきた部屋は来客用の応接室で、テーブルの上に弁当が三つ置いてあった。

あれ? もしかして千里さんが来るとか?

ちょっと残念だけど、勝手にふたりっきりで食べられると思った私が悪い。志貴とランチに来ているわけでもないし、それが千里さんならば仕方がないこと。

志貴はさっさと一人用のソファーに腰掛けていて、私を見ると顎で前の席を差す。

「もうすぐ来るか」

やっぱり千里さんが来るんだ、と思ったその時。応接室のドアから、コンコンと音が聞こえた。

「開いてるぞ」

志貴の声と同時にドアが開き、姿を表したのは……。



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