恋の神様はどこにいる?
でも志貴がそんなにテレ屋さんだったとは、実に意外で。
「そっかぁ、図星だったんだ。志貴、私と一緒で楽しかったんだぁ」
と、ちょっとからかいたくなってしまった。
「お、おまえなぁ。ったく、調子に乗ってると、後で痛い目見るぞ」
そんな怖いことを言われても平気なのは、ホントの志貴は優しい人だということを知っているから。
「もう何年も前に私に落ちてたのに、どうして『一ヶ月で俺を落としてみろ』なんて言ったの?」
「なんだよ、また質問か? 今日のおまえは質問してばっかだな。あれはだな……」
志貴はそう言うと、私を頭からスッポリと抱きかかえた。
これじゃあ顔が上げられなくて、志貴の顔を見ることができない。志貴の腕の中でもがいてみても、それは緩むことがなくて。
「暴れるな、おとなしくしてろ。俺はおまえに、四年近く片思いしてたんだぞ。やっとのことで声を掛けておまえに近づけたのに、告白して振られたら立ち直れないだろ。だから一ヶ月で、おまえが俺のことを好きになるようにだな……って、なんで俺がこんなこと話さなきゃいけないんだ。お終いお終い」
志貴はそこで勝手に話を終えると、私の身体を強く抱きしめる。
「志貴、痛いって!!」
「話してやったんだ。それくらい我慢しろよ」
「話してやったって、何よ偉そうに。そんなこと言う人には、こうしてやる!!」
志貴の脇腹に手を入れると、こちょこちょとくすぐった。
「おい、止めろ!! 小町、マジで勘弁してくれ!!」
「勘弁してあげないんだから」
ヒィヒィ言いいながら笑っている志貴を見て、私も一緒に笑う。
朝っぱらからこんな風に、ふたりでじゃれ合っているなんて……。
昨日の朝の私が見たら、さぞ驚くことだろう。