恋の神様はどこにいる?
うにゃ? 何の話れすか?
そう聞きたくても、ビールジョッキを立て続けに飲んだ私の思考能力はもう限界で。
それに加えて、雅斗さんと何か話しながら頭を撫でてくれる志貴の手が気持ち良くて、もう数秒で眠ってしまいそうだった。
「コイツを、小町を一度手にしたら、一生離してやれそうにない」
「小町ちゃんなら大丈夫だろ。いい子じゃないか。そうか、四年前お前を変えたのは、小町ちゃんだったのか」
もうこの時の私は寝落ちる寸前で、ふたりの話は何も耳に入っていない。だた志貴が頭を撫でている感触だけを、ひとり感じていた。
「うぅ、気持ち悪い……」
ベッドからムクッと起き上がると、口を手で押さえた。
「おいっ小町、ここで吐くなよ。今、洗面所に連れてってやる」
「う……うん」
志貴はそう言うと、私の身体をサッと抱き上げた。
ああ、志貴って優しい……って、これってお姫様抱っこじゃない!!
え? えぇ? しかもここどこ? なんで私、志貴と一緒にいるの? 雅斗さんに紗和さんは?
何が何だかさっぱりわからない私は、志貴の腕の中でバタバタと暴れだす。