愛情の鎖
困ったな……
もし、宗一郎さんが今日も仕事に行かなかったら、それを理由にして屋上に行くのはやめようと思っていた。
「明日、屋上で待ってる」
その言葉に深い意味はない。
コウさんはただ心配してくれてるだけ。
あんな風に倒れた私を、友達として、隣人として気にかけてくれているだけなのは十分に分かってる。
……だけど、苦しかった。
自分から友達になりたいと言った直後、こんな気持ちに気付くとは思わなかったから。
コウさんに会えばもっと好きになる。
そして苦しくなる。
泣きたくなる。
どうしたらいいのか分からなくなる。
そんなぐちゃぐちゃな気持ちの中、私はだらりとソファーに体を崩した。
昨日泣きながら一晩考え付いた思いは一つだけ。
もう、やめよう…
今日限り屋上に行くのはやめよう。
コウさんと会うのはこれで最後にしよう。
これ以上コウさんとの繋がりが深くなる前に、私から距離をおくのが一番いい。
それが今の私の精一杯の決断だった。