叶うはずだった恋






十分ぐらいたって。






「これで全部で間違いないですか?」






業者の方が訪ねてきた。






私はちらっと自分の部屋を覗いて、お母さんに頷く。






「大丈夫です。ありがとうございます」







お母さんが笑顔で対応する。







「では、運びますね」







そう言って家を出る業者の方。







「梨穂、お母さんこれから家具の撤去があるから先行ってて」







「うん」






お母さんの指示に従って私も、家を出る。







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