君ともう一度~入れ替わってから知った気持ち~

「みんな、久しぶりー!」

教室に入ると、あちらこちらでそんな声が飛んでいる。

私も、まーちゃんや何人かと話をして、自分の席に着いた。


しばらくすると桜木が来て、私達も挨拶を交わした。


「中本おはよう!久しぶりだなー」

「おはよう!そうだね。あの時はありがとう」

「な、なんだよ急にー。照れるじゃん!」

「あははっ。でも、本当に感謝してるから」

「お、おう…」


桜木、顔真っ赤だ…。
そんなに照れたら、私まで…

って何言ってんだ!

早くあのことを聞かなくちゃ。


「桜木!話したいことって、何だったの?」

「え?あぁ、あれな…。なんでもない!」

「…えぇ!?気になるじゃん!」

「いや、ほんとに、たいしたことじゃないから。っていうか、何の話だったか忘れたー(笑)」

「…絶対覚えてるでしょ。ひどいー」

「そんなこというなよー。…じゃあ、また気が向いたら話すよ!な?」

「うーん。まぁ、いいや。わかったー」


めちゃくちゃ気になったけど、桜木も言いにくそうだったし、これ以上詮索すると機嫌悪くなりそうだからやめた。

気が向いてくれるまで、気長に待ちますか。


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