森に抱かれて

「じゃ、しんちゃん、頑張ってね」

「はい。頑張ります。お忙しいのに有難うございました」

立ち上がって頭を下げる。要も立ち上がり、佐藤の肩をポンと叩いて出て行く。

「またな」

佐藤は軽く手を挙げて要を見送る。

帰っちゃった。頑張りますとは言ったものの、出来るかなぁ、私。

「さてと」

おっと、目が合っちゃった。

佐藤は手に持っているグラスの麦茶をゴクッと飲む。

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