事件

それは数日後の事だった。
いつもと何も変わらないアパート。
何も変わらない住人。何も変わらないアルバイト先。

仕事が終わった時間もいつも通りだった。
相変わらずクタクタな状態でアパートに着いた。
ふと見るとアパートの前に車が一台止まっている。
普段住人以外の出入りの無いアパートだ、わざわざ車で誰かが来るなんて珍しい。
仁志が車を避けてアパートに入ろうとした瞬間だった。
「離せよっ!!」
叫びまくるババァ。そのババァの腕を両側から掴み、無理矢理車に乗せる男が二人。

何が何だか理解できないうちに、ババァを乗せた車はあっという間に走り去って行った…
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