こちら元町診療所
初めての感覚なのに、くっついた身体はどこか愛しくてそれをなだめるように彼の手が頭を撫でる



『……ツラくない?』


「んっ……大丈夫……」


『ゆっくり動くよ』


繋がったそこがゆっくりと触れ、私は自分がどうにかなってしまいそうでもう任せるしかなかった


ただ、初めて体を重ねたことはこんなにも相手を近くに感じて何も遮るものがないということ



「アッッ!!」


遠くて手の届かない森井聖治を一番近くに感じられた……




『大丈夫?』


息が暫く上がったままの私に肌触りのいい毛布をかけてくれ、その上から引寄せられる私


小さく頷けば嬉しそうに喉を鳴らす彼



「何で……笑うんですか?」



初めてだったからやっぱり不安になる


自分の身体のことも、その……仕方というか。


『靖子とこうしていられることが嬉しすぎて』



「少しでも…先生のこと疑って……ほんとにごめんなさい」



『先生?』



「………せい…じ」



『ん、これからは仕事以外はそう呼んで?俺だって不安なんだから』


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