ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「まみちゃん。公園に行ったら何して遊ぶの?」


まみちゃんぐらいの子どもって、何で遊ぶのかしら。自分の子どもの頃を思い出そうとしたけど、全く思い出せなかった。幼稚園に入ってからなら、多少は思い出せるんだけど……


「えっとね、ぶらんこと……しゅべりだいと……」

「しゅべりって……ああ、滑り台ね?」

「うん。あと、おしゅなあそび」

「おしゅな?ああ、お砂遊びね?」

「うん! りなちゃんもしゅる?」

「う、うん。するわよ」

「やったー」


もう何年も、ううん、何十年もそういう遊びってしてないけど、何とかなるかなあ。やっぱりスカートにしなくてよかったみたい。


しばらく走った後、車は何かの施設みたいな敷地の中に入り、赤や青に塗られた滑り台が近くに見えるスペースに駐車した。


「新藤さん、ここは……?」

「何とかっていう運動公園だよ。まみが好きな滑り台もあるね?」


なるほど。少し遠くでは、お揃いのユニフォームを着た若者達がサッカーか何かをしているのが見え、近くには滑り台の他にブランコや砂場などがあり、まみちゃんと同じくらいの子や、もう少し大きい子ども達が遊んでいるのが見えた。

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