ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
「へえー、嘘みたいな話だね?」


話を聴き終えた恭子は、真っ先にそう言った。


「でしょ? 信じられないような話なのよね……」

「案外、本当に嘘だったりしてね?」

「え? それって、どういう意味?」

「つまりさ、竹宮さんの自作自演って可能性もあるって事」

「自作自演? 何のために?」

「そりゃあもちろん、あんたとよりを戻す口実じゃない?」

「そうかなあ。あの人、そんな事する人じゃないと思うけどなあ」

「分からないわよ……。いずれにしても気を付けなくちゃね?」

「う、うん……」

「もし竹宮さんの自作自演なら、あんたの事を襲うかもしれないし、もし本当の話なら、ストーカー女につきまとわられるかもだし、とにかく油断しない事ね?」

「わかった」


なるほどね……

何だかおかしな事になっちゃったなあ。


その夜、私は時間を見計らって会社を出ると、竹宮さんから聞いたレストランへ向かって行った。恭子に言われてから恐怖を感じたけど、一方では真相を確かめたい、という気持ちもあり、どちらかと言うとそっちの方が強かった。


外はすっかり暗くなり、あちらこちらでクリスマスのイルミネーションがキラキラと光り輝いていた。

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