ママと呼ばれたい ~素敵上司の悲しすぎる過去~
きっとここは新藤さんの家だと思う。確証はないけれど。


もしかして私、新藤さんとしちゃったの!?


いやん。

でも、蒲団の中で自分の体に手をやれば、ブラは着けてるし下もちゃんと履いている。その二つしか身に着けてはいないのだけど。うーん、微妙……


もししちゃったとしたら……結果オーライかも。

まるでケータイ小説に有りがちなベタな展開だけれども、体から始まる恋って、あると思う。


ウッシッシ、なんて一人ほくそ笑んでいたら、開けっ放しのドア越しに、こっちへ向かって来る足音が聞こえてきた。

その人物、たぶん新藤さんで間違いないと思うけどもは、スリッパを履いているらしく、小刻みにパタパタという音をさせていた。


ん? 小刻みに、パタパタ?


ゆっくりとパタ、パタじゃないの?


蒲団で胸元を隠しながら上体を起こし、部屋の入り口に目をやっていたら、すぐに足音の主が現れたのだけど、在るべき位置に彼の顔はなかった。


と言ってもホラーとかではなく、視線をやや下にずらせば、そこにはまるで童話から抜け出して来たような、あるいはお人形さんのような、それはそれは可愛い女の子が現れた。


「おねえちゃん、おっきしたの?」


声も可愛らしい。


「う、うん。おっきした」


私まで赤ちゃん言葉で返してしまった。


「パパがね、ごはんできたって」

「そう? ありがとう」


…………パパ?

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