スイーツ男子、佐藤くん

Side:Keta

サチちゃんがいない。そう気付いたのは、待ち合わせから五分過ぎた18:50のこと。人がごった返しているし、何より浴衣の人が多過ぎて、サチちゃんがどこにいるかも分からない。サチちゃんのことだから、きっともう来ているんだとは思うけど、目星が付かない。

「サチちゃん、今どこ?」

そうメールを送信しても、スマホが震える気配もない。

もしかして、もう奥に行っちゃった?

僕はぎゅ、と手を握り、神社の奥へと進んで行った。

早くサチちゃんに、会わなきゃ。
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