答えて下さい、先生!!

「先生……」

結局学校終わりに塾に来てしまった。

先生、私に気づいてください。

携帯を取りだし塾の電話番号を見つめる。

そういえば、まだ先生のメールアドレスも電話番号も知らない……

先生にとってわたしはなんですか?

「西村さん?こんばんは」

声する。

見なくたってわかる。

「先生!!」

振り替えれば、先生が立ってた。

「どうしたの?なんかあった?」

なにもない、なんにもないんですよ先生。

でも、訳もなく先生に会いたくなる私はわがままなんでしょうか?

「先生……私に、キスして」

気がつけば勝手に口から出ていた言葉。

先生が目をそらす。

私は間違ったことをしてしまったみたいです。

「それは……」

言葉を濁す。

そのしぐさで、先生の気持ちなんてわかっちゃいますよ。

「せんせいの馬鹿!!」

そう叫んで走り出していた。

足は止まらない。

家に向かってただただ、走っていた。

ごめんなさい。

私はまだ子供だから感情をコントロール出来ないんです……。
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