二人は甘い初恋関係
小春川に出会う前は、女を好きになることなんて無いと思ってた。


運命だって、全く信じてなかった。


まさか、ここまで考え方が変わるとは…。


小春川の影響力、すげぇな。


「あ～あ、律矢が相手じゃ勝ち目ねぇな。お前の初恋を邪魔するのも気が引けるし、小春ちゃんのことは潔く諦めるとするか。」


「は？お前、小春川を狙ってたのかよ。」


「そりゃまあ…。だってさ、小春ちゃんが彼女になったら毎日癒やされるだろ？」


ニンマリと笑う千景に眉をしかめた。


「言っておくが、お前が諦めるとか諦めないとか関係なく、俺は小春川を手に入れるために突っ走るから。小春川のこと、誰にも譲れない。」


低い声でキッパリと告げる。


千景は少し驚いた表情を浮かべたけれど、すぐに嬉しそうに頬を緩ませた。　


「律矢、小春ちゃんに相当…惚れてんだな。」


「…だったら、なんだよ。文句あんのか？」


「そんなの、あるわけないだろ？とにかく、意外とライバルは多いかもしれねぇから頑張れよ！」


そう言って、千景は俺の肩をバシッと勢いよく叩いた。


< 159 / 322 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop