二人は甘い初恋関係
「あ、いや……何でもない。」


「水城君…?」


不思議に思いながら首を傾げると、水城君は慌てた感じで顔を上げた。


「だ、だいぶ冷えてきたし、そろそろ帰るか。」


「うっ、うん…。」


コクンと頷くと、水城君は展望スペースの階段を降り始める。


私も、その後に続いた。


水城君、今…何を言おうとしたんだろう?


途中で止められちゃうと気になるけど、“何でもない”って言ってたから、あまり気にしない方がいいよね…きっと。


心の中でそう思いながら、公園の出口へと向かう。


冷たい風が吹き抜ける中、私は水城君のマフラーに触れた。


水城君の匂いがする…。


まるで、水城君に包み込まれてるみたいでドキドキしちゃうよ…。


温かいどころか、頬は熱を帯びていく。


帰り道。


だんだんと日が沈んで気温が下がっていくのに、寒さなんて殆ど感じなかった。


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