二人は甘い初恋関係

「小春川、このあと…まだ買い物して行くの?」


「ううん、もう帰ろうと思って…。病み上がりだし、明日から学校だから無理しないようにしようと思って……。」


「そっか…。家まで送って行こうか?」


「だ、大丈夫!今日は熱ないし、足元もフラついたりしてないから…。それじゃあ、またね…。」


「あっ、小春川…!」


背を向けようとしたところで、水城君に呼び止められた。


「あのさ、明日の朝…小春川のマンションのところに行っても良い?」


「えっ…」


「また、一緒に学校…行きたいなと思ってさ。でも、無理に…とは言わないから…。もし良ければ…っていうか。」


水城君と、また一緒に…。


私は、すぐにコクンと頷いた。


「一緒に行きたい…です。」


言葉にした途端、鼓動が加速する。


周りに聞こえてしまいそうなぐらい、心臓の音が大きい。


「うん…。それじゃあ、明日…マンションの下に迎えに行くよ。」


「また明日…。」


笑顔の水城君に手を振って、私は足早に歩き出した。


< 301 / 322 >

この作品をシェア

pagetop