二人は甘い初恋関係

「小春川、肩の力抜いてリラックスして話せよ。佳織と話す時みたいにさ。」


「う、うん…。」


肩を上下に動かして緊張を解そうと試みるけれど、やっぱりぎこちなくなってしまう。


上手くリラックス出来なくて沈んでいると、眞田さんが何か閃いたような表情を浮かべた。


「そうだ！小春川さん、律矢を女子だと思って話すのはどう？」


「は？お前…何言ってんの？」


水城君は怪訝そうに眉をしかめる。


「小春川さんは女子となら普通に話せるわけでしょ？だから、律矢を女子だと思えば緊張せずに話せるんじゃないかな…って。」


「お前なぁ…」


「あ！いっそのこと、律矢…女子っぽく振る舞えばいいんじゃない？」


「佳織、ふざけんのもいい加減にしろよ…。」


私を挟んで、両側から言葉が飛び交う。


ニヤリと笑う眞田さんに対して、水城君は不機嫌そうな表情だ。


水城君を女子だと思って、かぁ…。


でも、水城君は顔立ちが整ってるから、女の子に変装したら…意外と似合いそうな気が…。


そんな想像をしたら、思わず…フフッと笑ってしまった。