鬼部長の優しい手



「でも、素敵ですね!
今までも今も、これからも

ずっと一緒にいるなんて。



そんな結婚式に携われて、
なんだか幸せです」


小さい頃から夢だったウエディングプランナー

こんな、瞬間を味わいたくて
私はプランナーを目指したんだ。



そんなことを考えながら、
カップルを見つめる。







「この結婚式、絶対
人生の最高の瞬間にしてみせます!」


「はい…っ、よろしくお願いします」



私は声高らかにそう宣言すると、
2人は息をあわせて、そう言ってくれた。






「さぁ、そうと決まれば打ち合わせ!



まずは、ドレス選びからしましょうか。
なにか着たいドレスとかあったりしますか?」



「あ…っ、
この間、彼とブライダルショップに行ったときに見た蝶々の刺繍の入ったウエディングドレスは、どうしても着たいな、と…」





蝶々の刺繍の入ったウエディングドレス

私は、そのドレスに覚えがあった。





前に先輩と一緒に参列した、結婚式
その時、花嫁が着ていたドレスが
確かその蝶のドレスだった気がする。





今、すごく人気があるドレス。



私は持っている全てのドレスのパンフレットを取りだし蝶々をあしらったものを探す。








「…こちらの形状のものでしょうか?」




私がカップルに見せたパンフレットには
ドレープが多く使われ、
裾のフリルのところと、胸元に蝶々の
刺繍が入ったウエディングドレス。



ベアトップで、
取り外し可能な淡いピンクのコルセットがつけられる、
大胆なドレス。




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