恋愛なんて、めんどくさい。

鍵を開ける。


「お邪魔します…。」


「どうぞ…。」


…この会話2回目です。




「………。」

「………。」


またまた沈黙。


とりあえず


「シャワー浴びて来たら?」


「えっ、俺?!」

盛大に肩を上げる深宮。


「他に誰が居んの。」


「だよ…な…」


「あ、着替え?それなら貸すから」

もちろん男物。


「ああ、泥棒防止の…」


「そうそれ…、え何で知ってんの?」


「柊から聞いたんだけど?」


「そうだっけ…?」


そんな事まで喋ってたんだ…


「あ、床!濡れてる!」

うっかりしてた。


「うぉっ、わりぃ!」

急いで服を脱ごうとする深宮。

「ここで脱がないでよ!」


力いっぱい深宮の背中を押して風呂場まで追いやる。


「脱いだら洗濯機入れといて。着替えとバスタオルは後で持ってくるから」


ガスを付けて

「なんかあったら、呼んで!」

深宮の返事も待たずにリビングに引っ込む。


どっから手ぇ付けよう…


あ!洗濯物!


ベランダに出て、素早く取り込む。


ちょっと湿ってるけどなんとか無事っちゃあ無事。

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