堅物くんとの恋愛過程
その日の午後。
「舞さん。ちょっといいですか?」
お昼ご飯を食べ終えた私を待っていたかのように、文弥くんが声を掛けてきた。
「え?あ、うん!」
あまりにも珍しいことだったので目を丸くさせてしまったのだけど
嬉しい気持ちの方が勝り、身体は瞬時に椅子から立ち上がっていた。
ホント調子のイイ私。
「すみません。ご飯はもう済ませましたか?」
「うん、いま食べ終えたとこ。文弥くんは?」
「僕は雑用の合間に簡単に済ませましたので」
そう言って笑う文弥くんは、どこか元気が無い……ようにも見える。
ってか、そもそも私に用事って何だろう?
ま、まさか!?
不意に恐ろしいことを想像し、咄嗟に先を歩く文弥くんの制服の袖口を掴んでしまっていた。
「ま、舞さん?どうかしました?」
文弥くんも何事かと不思議顔。
「あ……う、ううん!何でもない!ごめんね?急に……」
慌てて掴んでいた袖口を解放する。
だけど
別れ話……とかじゃ、ないよね?
突然訪れた不安に押し潰されそうになってしまう。