堅物くんとの恋愛過程
「あ、佐伯くん。今日の放課後の委員会なんだけどね?私、急用で出られないの」
萌香先生は申し訳なさそうに両手を合わせ、何のオプションかウィンクまでしてくる。
全然、申し訳ないって感じは見受けられないのですが。
「はぁ、またですか?……まぁ、わかりました。こちらのことは心配なさらないで下さい」
「さっすが佐伯くん。頼りにしてるわぁ」
「あまり嬉しくはありませんがね」
そう。
佐伯くんは萌香先生に甘い。
風紀委員で且つ、次期委員長とも言われ
生徒にも、また自分にも厳しい佐伯くんが、である。
「あ……じゃあ私、西門のチェックに行ってくるわねぇ」
許しを得た萌香先生は羽根でも生えたかのよう軽やかな足取りで、この場を後にして行く。
「…………」
「…………」
正直、私の心中穏やかであるワケがない。
今も萌香先生の後ろ姿を見つめる佐伯くんに
私は1人鋭い視線を投げかけていた。