◆Loves to You◇【短編集】

━月曜日、学校。




「春菜お〜はよッ」


「おはよ…愛実」


「テンション低いなぁ…。まさかまたまたお菓子バカの事で?」


「うーん、それもそうなんだけど…」





あたしの机の目の前にある一枚の紙。



“進路希望調査”



書いて提出しろって言われたけど、高校3年生の今になっても自分の進路が決まらない。



本当は大学に行きたいけど、ウチにはきっとそんなお金ないし。



もっともっと負担かけたら、もっともっとお母さんがおかしくなっちゃう。


それにあたしが進学あきらめて就職したら、お母さんだって楽になるし。



もしかしたら

水商売もやめて、大好きだったお母さんに戻ってくれるかもしれない。




どうしよぉ・・・





「春菜…まだ大丈夫だよ?希望だから。ゆっくり考えな?」



そう言って愛実は、“大学”って書いてある欄に小さく丸をして勝手に提出しちゃった。


愛実には、本当の進路も家の事も全部話してる。



「ありがと…愛実」


「全然♪それよりさ、春菜明日誕生日じゃん?帰りあそこのパフェ食べに行こ、今日は特別におごってあげる!!」


「ホントに?なんかちょっと元気出たよ」
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