淡雪の恋

6年後…






















「…い……おーいっ」


「……ん…」



誰かに肩を揺さぶられて俺は目を覚ました。



「もう講義終わってんぞ」



周りを見回すともうほとんど人はいない。



「……やべ、俺寝てた?」


「あぁ、爆睡」


「うわ…まじか」


「ドンマイ」



そう言って笑うのは幼馴染みの昴(すばる)。


ため息をついて、俺はまだ広げっぱなしだったノートやペンを片付け始めた。



「それにしても春が居眠りなんて珍しいな」


「昨日あんま眠れなかった」


「勉強か?」


「まぁな」


「大変だねぇ」



全てしまい終わると、昴と俺は学食に向かう。


昼飯を食べてしばらく話をして帰る。


これが俺の習慣になっている。



「あ、春くん、頼みがあるんだけど」



昼飯をちょうど食べ終わってから、昴が俺に微笑みかけながらそう言った。


だいたいそういうときは……



「合コンならパス」


「あれ、なんで分かったの」


「何度も誘われたらさすがに分かるだろ」



それに昴が俺に対して"くん"をつけるときは大抵嫌なことしかない。



「頼むよ春〜」


「無理」


「お前がいるのといないのじゃ女の子の集まりが違うんだよ〜」


「知るか」



えぇ〜、とこの世の終わりみたいな顔をする昴を軽く睨み付ける。



「いいか。この間みたいなのしたらただじゃおかないからな」



昴はこの前、俺に嘘をついて無理矢理合コンに参加させた。


本当に……こいつじゃなかったら一発殴ってたな。



「春さぁ、いいの?せっかくの大学ライフだよ?
もっと楽しまないと損だぜ?」


「俺はそういうのいいんだよ。つうか、もう一年ぐらいで俺たち大学卒業するだろ」


「そうだけどさぁ…」






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