恋はしょうがない。〜職員室の秘密〜



 そう言われて古庄は、平沢に挨拶に行く前に歓迎会が終わってしまったことに気が付いた…というより、平沢の歓迎会に来ていたにもかかわらず、その存在をすっかり忘れてしまっていた。

 自分の思い描いていたものとは違う展開になってきたので、古庄は苦い笑いを浮かべて、どう答えるべきか迷った。


「賀川さん。次も行くよね?二次会が終わって3次会は、また女子だけでカクテルでも飲みに行こっか?」


 すると、向こうから真琴と仲の良い石井がやって来て、真琴の腕を取って二次会へと誘う。


――……あぁ……。


 そんな風に言われたら、真琴は断るはずがない。現に真琴は、石井と共に学年主任が行きつけのスナックの方へと歩き始めている。

 古庄は落胆を抱えながら、にぎやかな夜のネオンの森の中へと重い足を向けた。







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