年下オトコたちの誘惑【完】
「チッ」

エロワンコの熱弁に、ライオン碧都は舌打ちをした。そして、クルリとわたしたちに背中を見せた。

でも、わたしは見えたんだ。ただ、エロワンコに腹を立てて舌打ちをしたわけじゃないって。

だって、若干両方のお耳が赤くなってたから…。

この時に、ちょっとだけライオン碧都の見る目が、わたしの中で変わった。

もちろん友達を大切にする、エロワンコのことも。

ヤマネコなおちゃんは、まだよく分かってないけど、きっとイイ奴なんだと思う。

「でも、お前のことは許さねぇからな」

何か、今更こんなこと言われても痛くも痒くもないや。“可愛い”なんて言ったら殺されそうだから、これはわたしの心の中だけにしまっておこうかな。

「まだ言ってるの、あおちゃん‼︎」
「俺は根に持つんだ‼︎」

こんな二人の会話を、ヤマネコなおちゃんは呆れながらも見守っていて。

「いい加減素直になったら、いいのにー」

ん?素直になる?ライオン碧都は、何を考えているの?

「お姉さんが気になるって、さ」
「……っ⁉︎」

あっぶな‼︎危うく大声出すとこだったよ…。急に何を言い出すんだよ、エロワンコ…。

「眞一郎‼︎俺は、こんなばばぁ興味なんかねぇんだよ‼︎」
「はいはい、そうだね。そういうことにしといてあげるよ。ね、なおちゃん?」
「あぁ…。そうだなぁ」

え?え?なに、この会話‼︎どうしてヤマネコなおちゃんまで納得してんのよ‼︎否定してよ‼︎

「テメェ、尚樹まで何言ってんだよ‼︎」
「いやぁ…。碧都がオンナに突っかかるなんて、さぁ…?」

ヤマネコ尚樹は(やっと名前知れた‼︎“尚樹”だから、“なおちゃん”なのねぇ)苦笑しながら、ライオン碧都を見た。それを隣でエロワンコが“ウンウン”と笑顔で頷いていた。

あー、えーと、聞かなかったことにしようかな。うん、そうしよう。忘れよう。

よし‼︎今、たった今。消去しました‼︎
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