年下オトコたちの誘惑【完】
「描いたのは俺だろうがよ」
「えぇっ⁉︎」

思い切り驚いたのは、だって…。

「んだよ、なんか文句でもあんのかよ」
「いや、ないけど…。だって、碧都がワンコのイラストって…」

全然結び付かない。碧都が、こんな可愛いワンコのイラストを描けるなんて…。

「ぶっ…」

あ、やばっ。我慢できずに、吹いちゃった…。

えっとー、碧都は…。

「杏、お前笑ったな?今、笑ったよなぁ?」

ひゃだっ‼︎めっちゃキレてるじゃないですか‼︎

「いやいや、碧都くん?わたしは、笑ってなんかいませんよ?やだなぁ、もう‼︎」

何とか、ごまかそうとコッチも必死になった。

それを聞いた碧都は、『そうか…俺の勘違いだったか』そう言いながら、わたしの耳元へと顔を寄せ言った。

『笑ったこと認めねぇなら、仕事終わり覚えとけよ?』

なっ…。なんですか、この脅迫は‼︎恐ろすぎんでしょうが‼︎

碧都が言うと、全部実行してきそうで怖い。

「あは、あははっ」

もう笑うしかない。碧都と目を合わせたまま、わたしは一歩二歩と下がった。

「あーぁ、また碧都怒らせて。杏って、ドエム?」

近くに尚樹がいたことを知ってたから、そのまま下がったんだけど…。

まさか尚樹にまでイジメにあうとは…。別に怒らせようと思って、怒らせてるわけじゃないもん。

勝手に碧都がキレてるだけで…。
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