彼氏人形（ホラー）
☆☆☆

そして放課後、あたしたちは久しぶりに２人でバイト先に出てきていた。


まだ包帯で痛々しい実紗を見たバイト仲間が良子さんに連絡し、急きょ仕事を手伝ってくることになった。


「良子さん迷惑ばかりかけてごめんなさい」


実紗が深く頭を下げる。


「いいっていいって、そんなところで遠慮してどうするの」


すべてを知っている良子さんはそう言い、実紗の頭をポンッとなでた。


「で、恭子に会えたの？」


「はい、会えました」


「なにかわかった？」


そう聞かれて、実紗はうつむき首を左右にふる。


「そっか……」


「でも、【彼氏人形】を売っている組織はすごく大きくて、ネット上に流れている噂を管理している可能性があることがわかりました」


実紗に代わって、あたしは早口に説明した。
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