彼氏人形(ホラー)
そんな事を考えて寝がえりをうつと、いつの間に目が覚めたのか、蒼太が目の前に立っていて、あたしは驚いてベッドの上に飛び起きた。


「おはよう、陽子」


「お……おはよう」


いつもの笑顔を浮かべる蒼太に、あたしも無理やり笑顔を浮かべた。


ドクドクと心臓に汗をかいているが、それを悟られないように目をそらす。


「今日は学校?」


「う、ううん。今日は休みだよ」


そう返事をしていると、玄関が開閉される音がして、しばらくすると両親の車が発進する音が聞こえてきた。


2人とも仕事へ出かけてしまった。


これで完全に蒼太と2人きりだ。


「じゃぁ、今日はずっと一緒にいられる?」


「……そう……だね」
< 70 / 304 >

この作品をシェア

pagetop