ヒミツの王子さま!



女の子が欲しかった両親に、やっと授かった子供はくしくも男の子で。
だからせめてもと母親はまだ物心つく前の俺に、レースのスカートとかはかせてた訳だけど……。

そのせいで、俺は昔っから女の子に間違われてきた。


いい迷惑だっつの。



背が低いのと女顔はコンプレックス。

顔は少しでも男らしく見えるように、目つきを悪くする努力をして、背が少しでも大きくなるように、毎日の牛乳は欠かさない。

そんな涙も滲む努力をかれこれ7年。



自分でも産まれてくるの間違ってたってたまに思う。



でもさ

母さんが間違えんなよ!!!


俺は本当に申し訳なさそうに頭を下げている母親を呆れた顔で見つめた。


はぁ……


「……たく。わぁーったよ!でもバレない保証はないからね」




「ナオ~…ほんとごめんねぇ、母さんドシで」



俺は、ズルズルと椅子に身を投げ出し頭をガシガシ掻いた。



「先生はちゃんとご存知だから協力して下さるわ。担任の先生は成瀬さんておっしゃるから!」


母親はきゅうに子供のように悪戯な笑みを浮かべワクワクしだしている。


オイオイ…


やるのは、俺だぜ?


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