ヒミツの王子さま!

痛みが治まるのを目を閉じて待っている。
その俺の肩が急に鷲掴みにされた。



「やだ!ナオ・・・死んじゃやだあ・・・
死なないでぇ、ごめんなさあぁい」


「・・・イテテ!!!な、なんだよ・・・」



俺は慌てて起き上がり、俺の上に覆い被さっていた日向を押しやった。



「・・・・ナオ・・・・」


「勝手に殺すな。こんなんで死ぬかよ・・・」



眉間にシワを寄せながら日向を睨むと、俺は頭をさする。



うわ・・・すげぇタンコブ。



俺を見つめたまま、ぽかんと口を開けっぱなしの日向。


その大きな瞳はみるみるうちにまた涙が溢れ出した。



「うわぁああん、目ぇ・・・さ・・・覚まさなかったらどうしようかと思ったぁ・・・怖かったよお・・・ナオのばかぁ」


「ちょっ・・・日向!?」




ミシミシと痛む体。


日向の限られた力が俺を締め付ける。


左耳に感じる湿った感触。


「・・・ふっ・・・ヒック・・・ック・・・」



はあ・・・・



困り果てて、俺は空を見上げた。



こうゆう時、どうすればいい?




俺は、自分の体と日向の体の重みを支えながら、空いた手で日向の頭にそっと触れた。



「・・・・・」



一瞬、ビクリと日向の体が震えたように感じた。



俺はそれでも、その手で頭をポンポンと撫でる。



「・・・・ごめんな」



そう小さく呟いて。


日向は一層、その細い腕に力を込めて、俺を抱き締めた。


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