社宅アフェクション
「どこ行くの、真綾」
「え、部活に……」
「朝のHRの話、ちゃんと聞いてた?今日から学校祭のクラス準備でしょ?」
「あ…忘れてた……」


そうだったぁ…今日から7月の学校祭まで、クラス準備と部門が交互にあるんだっけ…
それぞれをしっかりやって、部活は必ずその後に、っていう方針だ。


「私、部活、行きたい」
「なんでカタコトなのよ」
「部門なら参加するよ?大陸いるし。でもクラスのはさ、メイドじゃん!メイドやだもん!」
「大陸……?」
「あ、今のはなし!とにかく部活行きたい!」


ついつい大陸の名前を出してしまった。まぁ佳乃は社宅じゃないし、知らないと思うけど。


「ハニー、知ってる?」
「うわ、直人!どっから現れて…!?」
「何言ってんの、後ろの席じゃん」



そっか。テスト中は後ろが勝彦で、花巻と会津は席が離れるから、すっかり忘れてた。


「で?知ってるって何を?」
「今日、メイド服と執事服の採寸すんだって!サンプル何着か買ったらしいよ」
「採…寸……?」


サンプルもあるって……ここで着るってこと!?


「直人くん、それって……」
「そうだよ、佳乃ちゃん!」
「勝彦くんの執事姿が…っ」
「ハニーのメイド姿が…っ」
「「今日見れるっっっ!!!!」」


2人のテンションにはついていけない──
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