社宅アフェクション
教室に入って時計を見たら、8:06。野球部の朝練やってたってこんなに遅く着くことはない。


「くそっ、あいつのせいだ」
「まぁまぁ、教室に入る前にハニーに会えてよかったじゃん!あのティッシュ顔、他の人に見せられないでしょー?」
「俺には関係ない」
「意地っ張りだなぁ」


何を勘違いしてるのか、直人は俺が真綾のことを好きだと思っている。
真綾をハニーと呼んでいるのも、多分俺に嫉妬心を持たせたいからだろう。


こいつもバカだから、考えが一人歩き、いや、一人走りしている。


「くだらねぇこと言ってねぇで、早く席行けよ。プリントきてんぞ」
「はいはい、照れ屋さ~ん」
「うぜぇ……」


俺は教室の前ドアに一番近い席についた。
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