社宅アフェクション
勝彦は怪訝(けげん)そうな顔をした。


「は?何?お前、俺のこと好きなわけ?」
「いや、そういうことじゃなくて…」
「俺はお前、大嫌いだけど?お前見てるとイライラする。朝のことも、からかい合いだと思ってんの?バカか。フツーにムカつくんだよ!」


大嫌い…?ムカつく…?あぁ、そうだ。
私、分かってたはずじゃん、そんなこと。
なのに…だから…私だって…っ!!


「私だってあんたのこと大っ嫌いだし!!勘違いすんなよ!?今のだって、あんたの恥ずかしい本音でも聞き出そうと思ってカマかけただけなんだから!!」



止まらない。



「勝彦、図書同好会ってのに入ったんでしょ?大陸と一緒に。あんたさ、本なんて大嫌いなくせに。訳分かんないんだけど!ムカつくから、私の大好きな大陸に近づくなっ!!」


………………


「真綾、お前……好きなの?大陸のこと」
「………あっ」


失敗した───
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