ギャップ彼女 2
連れて来られたのは体育館倉庫だった。扉を開けて中に入れば、さっき悠斗と抱き合っていた彼女がいたんだ。
「玲奈様、連れてきました。」
「ふふ、ありがとう。もう行っていいわよ?」
「はい」
この女の人は、玲奈というらしい(様なんてつけたくない)。しかし、女の子に玲奈様と呼ばれる位だから、余程慕われているのであろう。
そんな彼女が、私に一体何の用だというのだろうか…?
「花菜月さんに、お願いがあって呼んだの」
『はぁ…』
目の前の彼女は、芝居がかった笑みを浮かべて言った。わざとらしい笑顔に不快感しかなく、私は顔をしかめた。
―――本当、嫌な予感しかしない