ギャップ彼女 2
マイクごしの翔の咳払いで、ハッとしたんだ。
バッと急いで悠斗と離れた私。
自分でもありえないくらい顔が火照るのを感じた。




…やってもうた



全校生徒の前でこんな大胆な事…
は、恥ずかしい!?



だけどそう思うのは私だけで、なぜか悠斗は不服そうで…




目で「なんで離れるんだよ?」と訴えている気がした。




…いや、確実に言ってる。
これが以心伝心というものか?




なら私も…





"今は、生徒総会中だよ?それにみんなが見てるから…今は、はなれて?…後でゆっくり抱きしめて欲しいな…"





私は悠斗を見つめ返し、目で訴えた。




すると、にっと口角を上げる柔らかい笑みを返された。



"分かった"


その笑顔に、まるでそう言われたような気がした。




やった!通じた!!



しかし喜んでいるのも束の間、不意に右手が強く引かれ、気づけば再び温かい腕に包み込まれていたんだ。




そう…通じたのは最後の言葉だけで…
肝心な「後で」という言葉が届いてない。



そんな私達を横目に翔は続けた。





「えー……これで生徒総会は終わります。」










「お、幕閉まった。」

「…まだ幕にこだわってたのかよ」

「ねぇ、悠斗。俺のリンちゃんから離れてよ」

「チッ」

『……く、くるじぃ…』

「リン!大丈夫か!?リン」

「ったく…いい加減放してやれ」

「チッ…俺のだ。誰にも渡さねぇ」

「「「……(独占欲強…)」」」

『……(ポッ)』








こうして無事に生徒総会は終わったのだった。
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