俺様王子様
友達
部屋に戻ると鏑木さんがあたしを待っていた。

「桜村さん、話しがありますの」

鏑木さんの迫力に、

「は、はい」

と思わず返事をした。

「恋、してますの」

「恋?」

「好きなんです」

「ちょっと…!」

「漣様が」

「え!山神くんを?」

「はい」

頬を赤らめて鏑木さんは言った。

「で、桜村さんは、漣様を…」

不安げな表情であたしを見る鏑木さん。

(本当に、山神くんのことが好きなんだな…。なんか、かわいい、鏑木さん)

「好きとかそんなのじゃないよ!お昼に話したのが初めてだし!」

とあたしは言うと、鏑木さんはほっとした表情に変わった。
< 21 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop