本当の居場所


陽人と一緒にたくさん勉強した。

あたしも陽人も、成績がぐんと上がって。

みんなにほめられた。


なんだか嬉しくなって。

陽人と一緒だって思うと更に。


けれど、一緒にこうして何かできるのもあとわずかで。

おんなじ制服着れるのも、あと少し…

急に寂しさが押し寄せて、離れたくないって何度も思った。

そのたびに“陽人の夢”を思い出して、気持ちをまぎらわしてきた。


ただ学校が離れるだけ。

気持ちまで離れるわけじゃない。


そんな日々もいつの間にか過ぎ、季節は冬になっていた。




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