本当の居場所
「さっきさー」
あたしの薬指の指輪を触りながら、陽人は口を開いた。
「俺を選んで、後悔してないって言ったよな?」
「うん」
「それ、本当に?」
指輪を触る手を止め、あたしを見つめながら、陽人は聞いた。
「本当だよ?」
陽人は何を聞きたいんだろう?
すると、陽人はゆっくりと話し始めた。
「俺さ、ずっと思ってた。あの時、俺じゃなくてノブを選んでた方が、さゆは幸せだったんじゃないかって」
初めて聞く、陽人の本音。
あたしは黙って陽人の言葉に、耳を傾けていた。