本当の居場所
赤くなるあたしの手を、優矢はぎゅっと強く握る。
あたしは優矢の顔をそっと見た。
そこには夕日に照らされて、優しく微笑む優矢の顔があった。
「紗雪……会いたかった」
甘い声で囁く優矢に、あたしは見とれてしまう。
あたしだって、会いたかった。
優矢に会いたくて、勉強なんて手につかなくて。
ずっと優矢のことだけ考えてた。
「あたしも、会いたかった」
そう言って、優矢に向かって手を広げると、優しく抱きしめてくれた。