幕末オオカミ 第二部 京都血風編


「真正面から訪ねてきたもので……捕縛する雰囲気でもなく、門のところで待たせているんですが」


困り果てた様子で、隊士が言う。


たしかに、あの狼は半魚人の群れを黙らせてしまうほどの、なんとも言えない威圧感があった。

その雰囲気に押されてしまったんだろう。


「わかった、ここに通せ」


局長が言うと、隊士はうなずいて門の方へと帰っていった。


「遅かれ早かれ訪ねてくるとは思ったが、まさか真正面から来るとはなあ」


局長は直接もののけと対峙したことがほとんどないからか、少し緊張したような表情をしていた。


「聞きたいことがありすぎるよね……」


六角獄舎でのこと、槐との関係……。


そして彼は、総司のことを一方的に知っているようだった。


総司の横顔をのぞきこむ。


けれど彼は、黙ったまま前を向いていた。


< 205 / 404 >

この作品をシェア

pagetop