忠犬ハツ恋
大ちゃんはホールで焼いたチーズケーキの半分をペロリと平らげ
ダイニングからリビングに移動してテレビを見ながらのんびりコーヒーを飲んでいた。

私はキッチンの片付けを済ませると自分のコーヒーを持って大ちゃんの隣に向かう。

見ると大ちゃんのコーヒーはもう空だった。

「コーヒーのお代わり要る?」

「いや、美咲の一口だけ頂戴。」

大ちゃんは私の手からコーヒーを少し飲んだ。

「美咲、目、瞑って。」

「えっ?」

「早く!」

この間"風邪が治ったらご褒美をくれる"と言っていた。

「う、うん。」

大ちゃんとのキスなんていつ振りだろう?
私はドキドキしてその時を待った。
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