忠犬ハツ恋
親子か?他人か?
納涼祭に向かうはずが、檜山君はどうもシャロンの方に向かっていた。

「シャロンに行くの?」

「先ずは腹ごしらえしてからだ。
屋台のメシで腹壊してから避けてる。」

「へぇ……意外と…。」

「何だよ。」

「繊細なんだなって。」

「俺は蚤の心臓、蚤の胃腸なんだよ。
少しは労われ。」

蚤の心臓を持つ人はそんな事言わないと思う。
という反論は飲み込んで、私は静かに後に続いた。
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