忠犬ハツ恋
大ちゃんの正体
ブライダルフェアで疲れてソファーで少しうたた寝していると、けたたましいバイクのエンジン音が近づいて来た。

"檜山君だ!"

そう思って慌てて玄関を出た。

檜山君はと言うと少しは私の気持ちを汲んでいてくれているのか、ウチの駐車場にバイクを寄せるとすぐにエンジンを切った。

ヘルメットを取ると檜山君の長い前髪が檜山君の瞳を隠す。

「お前、今から暇?
サクラさんの誕生日パーティーやるらしいんだけど。」

「えっ?行く!!」

でも私はスカートを履いていた。
このままじゃバイクに乗れない。

「ちょっと待って。スカート履き替えて来るから。」
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