忠犬ハツ恋
見つかってもいいと思ってはいたが、できる事なら見つからずに済みたい。
今回は無事大ちゃんとも一色先生とも接点がなさそうでホッとしていた。

それなのに授業が始まってしばらくすると後ろの扉から突然一色先生が乱入して来た。

夏木先生が"新人の私の監視だ"と一色先生の立会いの断りを入れた。

私は"バレませんように"と祈りながら身を屈める。

その時最後列で一色先生の声がした。

「"周防  大"ってコレ本名?」

檜山君が一色先生に捕まった。

「誓って本名っす。両親の離婚と再婚で苗字は2度3度変わったっすけど…。」

「ふ〜ん、そう?まあ、別にいいけど。」

2人の遣り取りを聞きながら冷や汗をかいていた。
檜山君は一色先生を大ちゃんだと思っている。
あまり関わり合わないで欲しい。
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