忠犬ハツ恋
身代わり身代われ
結局今回の試験は散々な結果に終わった。

試験休み中にいろいろあったんだから仕方ないと自分を納得させるけど、
この成績を見て大ちゃんは怒るんだろうか?
もし怒られたら逆ギレしそうだな、私…。
「誰のせいで勉強が手につかなかったと思ってるの??」って。

返って来たテストを見ながら自然と溜息が出た。

「お〜ぉ、俺には目を瞑っても取れそうにない点数だな。」

私のテストを覗き込んだ檜山君がそう言って茶化す。

「仕方ないの!今回はまともに試験休みに試験勉強出来なかったんだもん。」

「ば〜か!その心構えの時点で落第だ。
試験休みはおさらいする時間。
試験休みに試験勉強出来なくったってある程度出来なきゃおかしいんだよ。
それじゃ普段どれだけ授業を真面目に受けてないか暴露してるようなもんだろ?」

普段から机に突っ伏してばかりの檜山君に言われるのは心外だったが、何せこの方これでも学年トップなわけで…。

「でさ、他はボロボロなのに何で英語だけこんな飛び抜けて出来てんだよ。」

檜山君が私の成績表の一覧を見て笑う。

英語はあの日一色先生に鍛われたからだ。
冷やし中華に釣られて頑張って一色先生の言うように"追い詰められて限界を超える力を発揮"してしまっていた…。
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