忠犬ハツ恋
守ってあげたい!
次の日もその次の日も茜ちゃんは学校に出て来なかった。

急かすわけにも行かないし、私はただ静かに茜ちゃんを待つことにする。

「ねぇ白石さん、周防さんって何のビョーキ?」

突然私にそう問いかけて来たのは同じクラスの国生さんだった。

「私、知らない。」

「へぇ〜、あんなに仲良いのに知らないの?
それとも何か言えない事情?」

「本当に知らない。」

国生さんとの話を終わらせたくて私は席を立った。
去りかける私に国生さんの声が追いかけてくる。

「私、昨日見ちゃったんだよね〜、周防さんと彼氏らしき人。
産婦人科の前で周防さん大泣きしてた。
あれってさ、出来ちゃったってヤツ?」

国生さんは人目を憚らず大声でそう発言する。
クラス中の注目がここに集まった。
その国生さんのわざとらしさに腹が立った。

「憶測でそんな事言うのはどうかと思うけど?」

「私は気遣ってるのよ。もしそうなら何かとお金要るでしょ?皆に協力してもらったらいいのにって。」
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