忠犬ハツ恋
後悔先に立たず
「ねぇ、檜山ってさ出席日数ギリじゃなかったっけ?このままだと留年だよね?」

茜ちゃんが檜山君の机を見つめながら言う。
私も茜ちゃんの視線を追って檜山君の机を眺めた。

「………うん…。」

あれから何度も檜山君に電話したけれど檜山君は出てくれなかった。
今度はちゃんと番号を通知したのに……。



放課後、塾へと向かう茜ちゃんと別れ私は担任の亜希子先生の元へと向かった。

私が願ったところで檜山君の留年が伸びるとは思わないけど…。
でもこのまま何もしないでいるよりは何か行動を起こさずにはいられない。

職員室の前まで来ると隣の資料室の入り口で学年主任の先生と立ち話をする亜希子先生を見つけた。

そのただならぬ雰囲気に嫌な予感がして私は2人に気づかれないようそっと近づいた。
< 425 / 466 >

この作品をシェア

pagetop