オカメン!
秋野は名簿を見ていた顔を上げて、田原の席を探す。
「あ、あれ?た……田原は、ち、遅刻か?」
「トイレじゃない?」
「私、田原さんがトイレ行くの見たよ~」
「長いトイレだなー、まさかアレじゃねーの?」
あはははっ!
きゃはははっ!
最後の一言で、クラスが一斉に笑い出した。
「こ、こら茶化すな。た……田原には、あ、後で職員室に来るよう言ってくれ。えー、た……玉木」
秋野はあまり気にはとめず、再び出席をとり始めた。