【短編】甘い恋の法則
自分の教室に戻ろうとしたときだった。

「あ、苅山さん」

「ん?」

「金森、ずっと苅山さんのこと好きだったんだよ」

「え?」

ずっとあたしを好きだった??

どういうこと??

「俺、金森と同じ中学だったんだけど、アイツ、俺に苅山さんのことについて相談されてたんだ」


相談?

あたしのこと??

どうして??

「下駄箱に手紙が入ってることに、スゲェ喜んでた。……でも、アイツ」

あたしは、

霧谷君の最後の言葉を聞かずに、走り出していた。

教室

図書室

土間

でもどこにいない。

もう帰った??

でも靴はあったし。

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